腸内細菌について研究
(奥さんブログ)
腸の研究をコツコツ続けています。
おかげで、「さいきん」と打つと真っ先に「細菌」と変換されるようになりました。
様々な本を読んでいますが、腸のことというのは専門家の間でもわからない部分が多く、まだ研究途中だということに驚かされます。
私達がいいことだと思っている「生きた菌を腸まで届ける」ということさえ、実はあまり意味がないという研究結果すら出てきているのです。
えっ?って思いませんか?
生きた菌を腸まで届けることが良いことだって、よく宣伝してますよね。
光岡知足(みつおかともたり)という方がいらっしゃいます。
この先生は、私たちが今普通に使っている、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」という言葉の生みの親であり、乳酸菌の世界的な権威の方です。
先生がおっしゃるには、生きている乳酸菌をとっても体に吸収されないというのです。むしろ、死んでいるほうが良いともお話しされています。
なぜでしょうか?
それは、小腸の仕組みと関係があります。小腸で乳酸菌が吸収されるとき、パイエル板という壁を通過します。
ここ大事です。
よく覚えておいてください。
通過した後の乳酸菌は、その下にいるマクロファージや樹状細胞に食べられます。食べるだけではなく分析もします。
で、
結果をT細胞とかB細胞と呼ばれるリンパ球に、こんなやつがいたよって報告するんですね。
T細胞とかB細胞というのは白血球の一種で、体にとっての異物をやっつけてくれる働きがあります。
乳酸菌って、体にとってはいいものでしょ、異物なの?と思いませんか。
でも、細菌ですからね。
さらに、サイトカインという物質を出動させます。これは、一言でいうと免疫活性剤。情報伝達物質とも呼ばれます。
「異物が来たぞー」と叫んでまわるので、免疫細胞たちに気合が入るわけです。
さて、最初の問題に戻ります。
なぜ生きている菌では効果がないのでしょうか。
それは、生きている菌は腸内で集まるからです。
まるで、タピオカミルクティーに群がる女子高生のようです。で、集団になるとパイエル板を通過できません。
だから、免疫活性化につながらないというのです。
衝撃でしたね。
じゃあテレビCMでやってる、生きたまま菌が~とか言ってるのは嘘なんじゃんってびっくりしました。
生きたまま腸に菌を届けるためにかけている研究開発費をやめれば、私たちは商品をもっと安く手に入れることができるのにと思わずにいられません。