腸に犬がいる。
(奥さんブログ)
腸には神経細胞があります。
神経細胞は、人間の脳に180億個あり常に情報のやり取りをしていることで知られていますね。
腸にある神経細胞は約1億個と言われ、これは犬の脳にある神経細胞に匹敵します。
猫でもいいんだけど、私は犬派なのですよ。
腸は第二の脳なんて言われます。
しかし、
生命の進化や受精卵のことを考えると、実は腸は、「第一の脳」と言ってもいいくらい重要な存在なのです。
原始的な生物には、脳がありませんでした。
食べ物を取り込む口と肛門が一つになった生物です。食べ物を摂取したあと、腸が食べ物かどうかを判断しているのです。
食べ物だと判断されたら、消化の指令が出される仕組みです。この神経系が発達して、脳になったと言われています。
人間の受精卵でも、まず一番最初に作られるのは腸だそうです。母体から栄養を獲得するための器官だからです。
だから、
生物の一番大事な部分は、心臓でもなく脳でもなく、腸なのだと思います。
ところで英語のgutというと、主に腸のことを指します。
日本語でいう「ガッツがある」とかっていうのとは、意味が違うので注意です。
さらに面白いのは、gutには直観という意味もあること。
刑事物のドラマのなかでよく、
What's your gut telling to you?(お前のカンではどうなんだ)なんてセリフが聞かれます。
日本には、切腹という慣習がありました。これは、腹の中には人間の本心が宿るとされており、それを掻っ捌いて皆に見てもらうことで、自身の罪を判断してほしいというのが由来だそうです。
日本語も英語でも、生物の根本であるところの腸がその腸の持ち主の精神状態を表すのにも使われているというのは面白い共通点です。
腸のなかには、セロトニンが大量に存在します。
これは通称「幸せホルモン」と呼ばれ、精神安定に大きく関わっている物質です。
腸はセロトニンの生産工場であり、ほんの一部は脳に運ばれて精神安定剤としての力を発揮します。
生産したセロトニンのうちの9割は、腸を動かす指令を出すのに使われます。
だから便秘の腸の中では、なんとかして腸を動かそうとセロトニンが大量に分泌されます。作ったセロトニンはすべて使ってでも腸を動かそうとするので、脳にまでセロトニンがなかなか届かなくなってしまうのです。
だから、便秘の時はイライラしがちなんですね。
腸にいる犬は、外からやってきた病原体から身を守ってくれる大事な番犬。
優秀で優しい番犬に育てるために、最近は腸に関する本を読み漁っています。